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2007.08.14

他者への想像力

下のエントリーで書いたように、スカパー!のチューナーを買いに池袋のビックカメラに行き、クルマは池袋駅東口の地下公共駐車場に停めました。お盆休みまっただ中ということで道路上にクルマは少なかったものの、私が着いたときに駐車場は満車。障害者用の駐車スペースは空いてるかな、怪しいな、と思いながら待つことしばし、やっと入場できる順番が来て、係のおじさんに「車いすなんですけど、障害者用の駐車スペースは空いてます??」と尋ねたところ、予想外の言葉が返ってきました。

「障害者用のは無いんですよね」
いや、私、この奥にあるのを知ってますから。何度か駐めたことがありますから。奥まで行って空いてないと困るから訊いてるんですけど。まてよ、いまは空いてないと言いたいのかな……などとグルグル考えていると、「ここの2台分の真ん中に停めて」と言ってくれました。ありがとー。でも、事情を知らない人が見たら「何だこのクルマ。車庫入れが下手にも程があるぞ」とか思われてしまうんじゃあるまいか。ま、気にしないけどね。

この地下駐車場から直接地上に出られるエレベーターはなく、1階上の池袋駅の通路へ車いす用リフト(階段に設置してある)で上がり、そこからエレベーターへ地上へ出るというルートになります。指示された駐車場所から、私が知っている車いす用リフトよりも近いリフトがあるかもしれないと、どこから上に出られるかを例のおじさんに尋ねてみたら、またまた予想外の返事。

「向こうから出られますよ。階段になりますけど」
(あのね。私が車いすに乗っているの、見えてますよね??)←心の声
「えーっと、リフトがあるはずなんですけど??」
「あっ、それならこっちです」
……けっきょく、私が知っているリフトだった。1カ所しかないのね。学習しました。
そういえば、新宿の地下駐車場で、教えられたエレベーターから出たらそこは階段だった……というのもあったっけ。歩ける人は便利だなぁと思うことが、よくあります(^^;

さて。
車いす用リフトへ向かうついでに確認したところ、障害者用駐車スペースはリフトの近くに、ちゃんとありました。なくなったりしないわなぁ。が、予想通りというか予想を上回るというか、障害者用駐車スペース2つ分に3台、クルマが駐められていて仰天。話に聞いたことはあるものの、実際に「2台分に3台駐車」を見るのは初めてだわー。これが噂のやつかー。すごいなー。お盆休みで稼ぎ時だしねー……って、違うだろっ。


障害者用駐車エリアの、あの広大なスペースは、車いすを積み降ろしをするときや、クルマのシートから車いすに乗り移る際に、クルマのドアを全開にする必要があるからなんですね。その広いスペースじゃないと、他に空いている場所があったしても、ほぼ使えないと言っていいです。駐車スペースのレイアウトによっては通路に面した場所(右端/左端)で代用できることもありますが、その場合でも、端っこが空いていなければアウトです。今回は係のおじさんが柔軟に対応してくれたおかげで困らずに済みましたが、係の人がいないところでは、やはりアウトです。

そこで、ふつうのクルマ(なんて言えばいいんだ?? 健常車(^^?? )が障害者用駐車スペースに停めないようにパイロンで塞いであったり、さらにバーを渡して通せんぼしてあったり、もっと強力に工事現場のような鉄製ガードが置いてあることもあります。よくあります。これで解決……じゃなくて。私のように1人で動くドライバーだと、いったん車いすを降ろしてクルマから降りてパイロンをどかしたあと再びクルマに乗って車いすを積み込んで……なんてやってられるかーい(^^; たいていは通りかかった人にお願いしてパイロンをどかしてもらったりするわけですが、誰も通りかかりそうにないときには、むりやりクルマで押し倒してやろうかと思います。さすがに実行するのは躊躇しますけどね。だいいち、パイロンを車体の下に巻き込んだりしたら、あとが面倒だし……って、そっちかい。

ところで、多くの場合、障害者用駐車スペースは建物の出入り口やエレベーターの近くにあります。さて、ここでいう「障害者」にあたるのはどんな人でしょうか。車いすの人、加齢や怪我などで足が弱っている人、妊婦さん、内臓疾患の人、体幹障害の人、義足の人、視力障害の人、ベビーカーの積み降ろしをしたい人…などなどを想定するのがバリアフリーというかユニバーサルの精神にかなうってもんでしょう。だけど、それでも、車いすユーザーは、あの広いスペースじゃないと事実上使えないんですよねぇ……。私は、個人的には、あのスペースを車いすユーザーだけのものとは考えていません。でも空いてないと困るしなぁ。車いすで入れるトイレでも似たような問題が起きますよね。車いす専用とはさすがに言えないし、言う気もさらさらないけれど、大多数の車いすユーザーはそこしか使えない。

足のケガなどで一時的に松葉杖や車いすになった途端に、それまで気にもしなかった、存在していることすら気がついていなかった数センチの段差がいかに危険かわかった、なんてことがあります。つい最近、私の古い友人もそういう経験をしたようです(治ったかーい??>某)。狭義の障害者のみならず、なんらかの理由で身体の自由がきかなかったり辛かったり、そういう経験をすると、他者の辛さや不便さへの想像力が働きやすいように思うんですよね、比較的に。今は亡きNIFTY SERVE(←亡きもの扱い)で知り合った、いわゆる健常者の友人は、私と遊ぶようになってから気がついたことがたくさんあると、知り合ってから十数年も経ったある日、突然言ってきて私を驚かせてくれたことがあります。へー、そんなふうに思ってたんだ。知らなかった。きっかけは、ないよりあったほうがいいね。

この「他者への想像力」が駐車場問題にとどまらず、世の中を少しでも丸く収めるためのキーなんじゃないかなぁ。なんて、駐車場おじさんの返答の面白さ(と、敢えて言おう)と、初めて見た「2台分に3台駐車」のインパクトのせいで、ふだんはことさら障害に関することを言わない私も、たまには声に出したほうがいいかなと思い、書いてみることにしました。私の直接の友人・知人にはいまさらなことだと思うけれど、これまでこういうことを考えてもいなかったどこかの誰か(失礼)にとって「他者を想像するきっかけ」になればいいなぁと思うのです。

……なぁんて、柄にもないことを。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

珍しい事が二つありました。
SALCONが、これを書いた事。
そして、それが朝の7:15だったこと。
徹夜したか??  (^^)ニマァァァァ

投稿: お〜ば | 2007.08.14 15:20

あー、どもども。
慣れないことをすると、時間ばかりかかっていかんです(照)。

投稿: SALCON | 2007.08.14 16:23

とても、とても、いいお話をお聞きしました。
子どもがバギーに乗っているときに感じていたこと、自分が松葉杖を使っていた時に、感じたこと・・・
忘れていました・・・(^_^;)

いいお話、ありがとうございます ぺこ

投稿: ぱお | 2007.08.14 21:45

 先月末から「肉離れ」で松葉杖になって、路面の段差が気になる今日この頃です(笑)。基本的に、松葉杖の人に周囲は親切ですよ。マンションではドアを開けて待っててくれたり、職場ではお茶を入れて来てくれたり。毎日とても助かってます。

 身障者スペースに停める奴、良くいますねぇ。脳細胞に障害のある身障者なんだと思う様にしています。できれば、そんな奴に運転免許証は与えて欲しくないですけどね。ただ、車椅子を下ろすのにスペースが必要とは、普通の人は知らないんでしょうね。通路の段差と同じですね。

 2台分に3台のインパクトが大きかったみたいですけど、そもそも枠線がない所に平然とクルマを置く連中は、昔から沢山いました。困ったものです。

投稿: MUGI | 2007.08.14 23:56

どもども>ぱおさん
まぁね、ふだんは忘れていても、困ったことがある実体験は大きいと思います。こうやって何かの拍子に思い出すわけですし。

まいど>MUGI
あ、まだ松葉杖生活中ですか。
脇の下が痛くならなくなったら一人前だよ(なんのだ)。

>>車椅子を下ろすのにスペースが必要とは、普通の人は知らないんでしょうね。
そうでしょうねえ。でも、知らないことはしょうがないですよね。子どもと同じ。
“大人”が教えるか、自分で経験するか、でしょう。

投稿: SALCON | 2007.08.15 16:23

数年前のことですが、生駒市の某駅前地下駐車場に並んで入ったとき、誘導のおじさんに「ここ入れて」と言われたのが、車イス用の優先スペースでした。「ここ、車イス用でしょう?」って言ったら、「いいんですよ。今日は混んでいるんだから。そんなこと言ってたら回っていかないんよ。」と怒られました。1台分だったので1台だけしか入りませんでした。

投稿: 葦永陽二 | 2007.08.15 17:00

こういう話、ちゃんと書いて、問題を提示してくれた方が良いよ。
例えば・・・
○緊急車両(消防車・救急車等)=01
  障害者用車(何らかの登録をする)=02
 一般乗用車=03   商品搬入用トラック=04    等の情報を車に持たせて・・・
★一番エレベータに近い便利な場所は、01と02のみ停まれるゲートがある。とか。
※高速道路の料金所を止まらないで通過できるシステムがあるなら
 こんな事も簡単じゃない?

投稿: 唐辛子 | 2007.08.17 02:39

まいどです>葦永さん
ほんと、世間が休みの日は空いていないことが多いです。
なるほど、わざわざそこに駐めさせることがあるんですね。例の3台駐車もそうだったのかもしれません。まぁ、車いすユーザーがやってきたときに柔軟に対応してくれさえすれば大丈夫っちゃ大丈夫だし、誘導員がいる駐車場のメリットはそれに尽きると言ってもいいぐらいだし、なんだかんだと言いながら最後は人で対応するのが最も効率的なのかもしれません。良いんだか悪いんだかよくわかりませんけど(^^;


どもども>唐辛子さん
最近はETCで料金の支払いができる駐車場があるという新聞記事を読んだことがあります。応用すれば何らかのシステムを作ることができるかもしれない…というか、作れるでしょうね。考えられるネックは
・属性を発信する端末の普及率が100%でないと意味がない
・専用端末を使う場合、恩恵を受けない一般車に不公平感がある(費用だけかかる)
・駐車場側の設備を整えるのに費用がかかる
・一時的に障害者(怪我で車いすとか)になった場合の対応
・自分の車ではなく、他人の車で利用する場合の対応
てなとこでしょうか。まだありそうです。

車いすを積んだクルマ以外を排除するような強力なバリケードは、本来の利用者が使う場合であっても心理的な負担を感じてしまうような気がするんですよね。例えば、駅で車いす対応のエスカレーターを使うしかない場合、他の利用者を排除したうえで私だけがエスカレーターに乗って、申し訳ないなーエレベーターがあれば誰も困らないのになーと思ってしまう、そんな感じ。

要するに、なにも特別扱いして欲しいわけではなく、ふつーに利用したいだけなわけです。現実として車いす対応のエリアしか使えないからそこを使うだけで。極論すれば、すべての駐車エリアが広ければ何の問題もないわけです。

私は、「身体がなんともないにも関わらず障害者用駐車スペースに駐めるのは恥ずかしいこと」と思わせるような心理的バリアを考えるほうが健全だと考えます。が、うまい案をなかなか思いつかないのが最大の問題ですねん。

投稿: SALCON | 2007.08.17 06:49

わ〜、ほんとに珍しい。
S.Aなんて、障害者用に限らず、ふつうの駐車スペース
まで完全無視してるやからがたまにいます(怒)。

障害者用駐車スペースは私も意識してみてますが、混んでいてもちゃんと確保されていることもありますが、やっぱりパイロンの恩恵だったりします。
まあ、めんどーなことですがね。
意識としては確保されてるほうがいいのかなあと、ちょっと複雑な気持ちになります。
ドライバーが障害者本人か、健常者か、駐車場を作った(管理?)側には「本人」である前提がないんですよね、きっと。

私も短期間、松葉杖で生活しましたが、まわりは親切でした。
でも階段しかない駅が多すぎ。
エスカレーターがあっても早くて怖い。
エレベーターがどこにあるかの表示もない。

こうやって、声に出してたまには言ったほうが、いいわ。
うん。

投稿: MICCHAN | 2007.08.20 13:54

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