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2007.10.08

ノリックまで……

さきほど、私が最も敬愛する二輪ライダーである「ノリック」こと阿部典史選手が交通事故死したのを伝えるテレビニュースに出くわして、呆然としてしまいました。「死亡:阿部典史さん」のテロップを見たときは「あら、ノリックと同じ名前だ」なんて思っていたんですけどね……。

現場は神奈川県川崎市大島1丁目の市道。アサヒコムによると、

川崎署の調べでは、現場は片側2車線の直線道路。4tトラック(※)がUターンしようとしたところ、右後方から近づいた阿部さんのオートバイが衝突したという。現場はUターン禁止だった。
(※報道では運転手の実名が出ていますが、ここでは伏せました 10.14修正)

他の報道によると、トラックは対向車線の「左車線から」Uターンしてきたようです。対するノリックは中央線寄り。トラックは停止状態からのUターンなのか、走行中にいきなりUターンしてきたのか、さらにはノリックのバイクの車速といったことは現時点では不明ですが、Uターン禁止の場所でのこんな動きを警戒もしくは予期するのは不可能に近いです。壁が横から飛び出してきたというのが近いかもしれません。

ノリックはフロントタイヤに加重をかける独特のライディングフォームとヘルメットからはみ出して風になびく長髪で、集団の中でもどこに居るか、すぐわかりました。予選で沈んでも決勝ではロケットスタートで先頭集団へ。はまれば速いけれど、転倒やずるずる後退してしまうことも多く、WGPでは通算3勝。3勝しかしていなかったのかと驚くほど、強烈な記憶を残すタイプのライダーでした。motoGP最高峰クラスで2001〜2005年の5年連続チャンピオンであるV.ロッシがデビュー当時に、ノリックのファンであることを公言していたのも有名なエピソードです。個人的には、2000年の鈴鹿・日本GPでファイナルラップまで競り合った末の優勝が忘れられません。これが最後のWGP優勝となりました。その後、スーパーバイクに移った2005〜2006年もスカパー!で見ていましたし、motoGP中継での解説も楽しみにしていました。

享年32。
合掌。


それにしても……。
先月、元WRCドライバーのコリン・マクレーが、自身が操縦するヘリコプターの墜落事故で逝ったときにも感じたことですが、レーシングドライバー/ライダーがコンペティションの現場以外で亡くなることに、ものすごい違和感を覚えてしまいます。サーキットやSS中なら死んでもしょうがないということではなく、あんなに乗り物を操ることに長けている連中が、なんでもない日常の中で死ぬことがあるというのが、いまだに信じられません。

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モータースポーツ」カテゴリの記事

コメント

すみません。何だか考えすぎて眠れなくって・・・
通りすがりですが、書き込みさせていただきます。

私がノリックのことで涙が出そうになったのは二回。

一度目は、96年のWGP第3戦の鈴鹿の500ccクラスで
ブッチギリで初優勝をあげたとき。

そして二度めは・・・こんなことでなんて!

ご冥福、というよりも何だかあっけなさすぎて悔しくて・・・
沼田さんのこと、奥野選手のことといい、とても悔しい
気分です。

夜分にお邪魔しました。

投稿: むらさき | 2007.10.08 03:29

どうも、現実感が薄いのですよね……。
こんなことで死んじゃっていいのかよ、という気がしてなりません。公道を走っていると、誰にでも起きうることなのかもしれません。もっと悲惨な事故はいくらでも起きていますが、それでも、失われたものの大きさを思うとやりきれません。

向こうでは加藤大治郎と走りまくるんでしょうね。
それがせめてもの救いです。

投稿: SALCON | 2007.10.08 04:02

事故現場はよく知っているところで、あのあたりではUターンすることがほとんど無い、市道ではあるけど事実上の国道並みの道です。

しかも、ちょっと走れば反対方向にも簡単に行ける。

時間帯もスクーターが黒というのもまずかったのかな?
さらには、ER上の判断ミスもあったのではないかと思ってます。

投稿: 酔うぞ | 2007.10.08 19:00

ニュースで現場を見ました。思っていたより広い道でした。

多くの事故がそうであるように、いくつもの不運が積み重なっているんでしょう。そもそも、あのトラックと居合わせてしまったことが最大の不運なんですが……。スクーターの黒色は要因ではあったかもしれませんが、ライトは点いているしなあ……。なんにせよ、前方を走行中のトラックがいきなりUターンしてきたらたまりません。

>>さらには、ER上の判断ミスもあったのではないかと思ってます。

ゆうべの報道では「全身を強く打って」と言っていましたが、今日になって「動脈の損傷」に変わっているのが引っかかります。何がどうだったのか、もっと知りたいのに、知るほどに空しくなるのがいけませんね……。

事故というのは理不尽なものだと、つくづく思い知らされました。

投稿: SALCON | 2007.10.08 21:05

競技場は施設や人員など、さまざまな安全策がとられていますし、競技用車両は非常に安全に作られています。

しかし、日常の場には何もありません。一般公道なんて、危険極まりない場所です。
若いドライバーに、レースイベント時、自走で自宅からサーキットまで来ることを禁じている指導者もいます。

昨年だか、KENNEさんのお仲間の方が同じように、バイクで四輪と絡む事故に遭い、亡くなられたということを日記で拝見しましたが、そう違わない時期に別のマイミクさんのご友人も、同様の事故で亡くなられました。
そして、この事故です。
バイクは必ず四輪に負けるんですね。

とにかく、むなしいです。

投稿: よ。 | 2007.10.08 21:49

事故現場の写真などからここのようです。

http://www.mapfan.com/m.cgi?MAP=E139.42.58.3N35.31.11.0&ZM=11

この道を北上していて事故になった。
おそらくは、帰宅途上。

実は、ここはものすごくよく知っている。

http://tokyotanpo.80code.com/blog/diary.cgi?no=738
http://tokyotanpo.80code.com/blog/diary.cgi?no=737

に出ているように、歩道、自転車道、植え込み、2車線で片側が出来ている道です。
だから、実質的に片側3車線で、車を建物の入口に付けられないから駐車もいません。

そこそこ速く進む道なのです。
こんなところでUターンは試みないですよ。

この場所から、300メートルぐらい川崎駅の反対側(地図の右側)行ったところが、仕事仲間の事務所で一時期は毎日通っていたところですわ。

投稿: 酔うぞ | 2007.10.08 23:20

僕も昔、バイク相手に事故を起こしたことがあります。状況からして完全に僕が悪い状態だった(建物から出た時に、2車線またいで入ろうとした・・・)うえに、相手はそのまま反対車線に滑るように転がって。反対側車線が赤信号だったこともありましたが、相手が擦り傷だけで済んだのが奇跡的でした。
プロのレーサーであっても、サーキットではUターンしてくる奴はいませんからね・・・
バイクレースのことはほとんど知らないDayanですが、そんな僕でも知っている選手が、大治郎とノリック。これで知っているバイクレーサーがいなくなりました。

投稿: Dayan | 2007.10.08 23:48

>よ。さん
自分の直近を走るバイクが怖いです。
何をするかわからないからではなく、もしも私がなにかミスったときに、そのバイクを巻き込んでしまうことが怖いです。私のミスなのに、私が勝ってしまうのが怖いです。

むかし、違反で減点ありドライバーの免許更新時講習で「あなた方がこれまでに死んだり殺したりしていないのは、運が良かっただけです」と言われたことがあります。そのときはずいぶんな言い方だと思ったんですが、突き詰めれば、そのとおりなんですよね。

なにかの拍子にふっと忘れてしまうことがある恐怖心を、改めて刻み込もうと思った事件でした。


>酔うぞさん
うーん……。
あり得ない場所であり得ないことが起きているのが、よく分かりました。
現場検証のマーキングが辛すぎます。

投稿: SALCON | 2007.10.08 23:58

>Dayanち
大事に至らずに何よりでした。

事故には至らなかったけれど、思い返すと運が良かったとしか言えないような経験なら私もあります。甘い予測と過剰な自信が合わさると、ろくなことがありません。

自分を含めて誰かが間違ったら危ないことになりかねない状況では対処方法を頭の中で用意しておくことは普通にやりますが、経験がないことや想像すらできないことを想定するのは難しい……というか無理。その想像もできないことが起きるのを思い知らされるのはノリックの事故が初めてではありません。限界は、ありますよね。

とにかく、できることとやるべきことを出し惜しみせずにやるしかないのだなあ。

投稿: SALCON | 2007.10.09 02:27

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