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2010.10.25

車いすを作るぞ(3) デモ機試乗編

NOVA III を自宅で試乗したいと代理店に依頼して待つこと10日。ようやく都合がついて持ってきてくれたので、挨拶もそこそこに試してみました。

やってきたデモ機の仕様は

  • Mサイズのフレーム
  • 座面=幅340mm、奥行き350mm
  • 24インチホイール
  • キャスター(前輪)=3インチ
  • アルミハンドリム(タイヤとの間隔1cm)
  • 車軸前出し4cm
  • 転倒防止バー付き
  • セパレートバータイプのフットレスト
  • ロアーマウントブレーキ
  • シートバック高さ=測るの忘れた(^^;

まずは、これができなきゃ話にならないクルマへの積み降ろし。主に、車いすをたたんだ状態での幅のチェックと、積み降ろしの動きに無理がないかどうかのチェック。

私のクルマはラウムで、車いすはたたんだ状態で後部スライドドアから前と後の座席の間へ積み込む。なお、後部座席は奥行きを短くしたオプション品に替えて、スペースを広くしてある。とはいっても、余裕たっぷりというわけではないので、NOVAが現用機より幅広だと困る。

積み込むには、たたんだ状態のフレームの左右2本をまとめて片手で掴んで(わかるかな。あとで写真撮るか)車内へ引きずり込むんだけど、その2本のフレーム間の距離がやや広く、大きい部類の私の手でもギリギリ。一瞬不安になったものの、全体の幅そのものは現用機よりわずかに広い程度で搭載スペース的に問題なく一安心。タイヤとハンドリムの間隔をデモ機の1cmから最大設定値の2cmに変更しても大丈夫な余裕もある。そのほかに幅が広くなる条件って何?? と訊いてみると、介助用ブレーキを装備すると、ホイールに取り付けられるブレーキユニット分の数cm、広くなるとのこと。じゃあ私には関係ないな。あ、車いすは前を先にクルマへ積み込みます。

積んだら降ろす。
いつものように、車いすを持ち上げるのではなく、転がして(前を先にして積んであるからバックで)クルマのサイドシルを乗り越えさせようとすると、転倒防止バーがひっかかる....。転倒防止バーって要るんかなあと思っていたけれど、邪魔になるんじゃやっぱり要らんかなあ。この点以外は特に問題なく、一応クリア。

次は取り回し具合のチェック。
駐車場のアスファルト路面でキャストアップ(前輪を浮かせるテクニックね)してみる。が、キャストアップしたまま維持できる角度まで上がらないうちに転倒防止バーでストップされる。うーん。たしかに安全ではあるけれど、これでは不便なことのほうが多そうだなー。
悩んでいると、

代理店「後ろに転んだことってあります??」
私「子どもの頃、キャストアップの練習中には何度か。その後はないですねー」
代理店「車軸前出しの調整しだいで転倒防止バーは要らないかもですね」
私「ですよね...。それに、どっちかというとティッピングバーを付けたいんですよ」
代理店「なるほど」

ストップをかける角度は調整できるのかしらん。要らんなーと思ってしまったので訊くの忘れた(^^;


自宅周辺道路も転がしてみた。
いま住んでいる集合住宅の周りは、緩い坂・一部荒れた舗装・片斜面の歩道・ところどころに小さな段差....などに囲まれている。で、それぞれの場面での車いすを漕ぐのに必要な力と、キャスターが現用機より小さいので、荒れている路面での走破性がどうなのかといったところが主なチェック項目。

自宅を出て、ゆるーい坂を下り(ここは歩道がないので路側帯を通る)、4つ角で左に曲がりつつ歩道へ上がる。歩道へは1cmほどの段差あり。いつもは坂を下ったスピードを若干殺しながらキャストアップ、そのままターンという、いわゆるフローティングターン(^^; をしているわけだけど、慣れないデモ機ゆえキャストアップし損ね、速度を殺しきれないまま段差に突入してしまった。下手したら段差にキャスターがつっかえて急停止→乗っている人間は慣性の法則で前へ放り出される....というのが考えられるケースで「げ、やばい(^^??」と思ったのもつかの間、あっさり段差クリア。あれ?? 用心でいつもより速度を落としていたからなのか、車いすのバランスがいいのか、単なるラッキーだったのか(^^;

現用機よりホイールが2インチ大きい24インチ、タイヤとハンドリムの間隔が2cm狭い、シートポジションが合っているわけじゃない....という条件なので、車いすを転がすフォームに違和感があるけれど、操作感そのものは良好。わりと力を入れて漕がないといけない傾斜の上り坂でも現用機より心持ち軽く上れるように感じた。車軸前出しと24インチホイールの威力かなあ。片斜面の歩道走破も特に問題点はないように思える。フレーム剛性が高い(というか、現用機がへたりすぎ)ので安定感があり、そのため体も安定しているみたいだなあ。

ひととおり試してみて、自分にジャストフィットさせるための細かい検討事項はあるものの素性に致命的な問題点は見あたらず、モジュール型車いすの強みである広範な調整機構でセッティング(^^; を詰めればかなり快適になりそう。もちろん、変更が効かないフレームサイズや座面サイズなどは熟考すること>自分


最後に、装備品についての疑問点や調整範囲などを確認。

  • 座面の高さは車軸取り付け位置とキャスターサイズで調整
  • フットレストはセパレートタイプの方が使い方に自由度が出るのでお勧め
  • ジョイントタイプのフットレストは剛性が上がるが、車いすをたたむ/広げるのと連動して動くのでフットレストだけをたたむことができない。乗り降りの際に邪魔になるかも?
  • ロー/ミドルマウントグリップ(シートバック上端より下のフレームにねじ込んで固定)よりフレーム一体のグリップR(シートバック上端より突き出る)のほうが強度高し。階段等で担ぐ際に持つにも安心(でも、ちと格好悪いのよねえ....)。
  • また、ロー/ミドルマウントのグリップはロングタイプでも110mmなので押すだけなら問題ないけど、担ぐときに持つのには危ないかも(それに、現用機のグリップでも「低い〜」って言われるのに、さらに下がったら確実に文句が出るよなあ(^^;)。
  • デモ機についている細めのタイヤは操作感が軽い。ただ、条件にもよるけれど摩耗は比較的早い。使用中の車いすと同じぐらいの太めタイヤの設定もある。
  • 塗装1色無料キャンペーン中(おお!)

シートバック上端より突き出すタイプのグリップは、オーエックスのほうが格好いいなあ(^^; でも、これだけで決めるわけにはいかんし、背後のグリップは自分じゃ見えないし、まあいいか...。話をするうちに、「塗色はどれがいいですかー??」なんて、商談のようになっていたけど(笑)、まあ、NOVA III で決めちゃってかまわんだろう。前のエントリーで書いたけど、私のニーズを満たしているのはこれだものなあ。

というわけで、次は新宿区戸山にある福祉センターでの判定会に行かなきゃいけません。車いすは自治体から給付される(金額には上限があるので、たいてい自己負担もある)ものなので、どういう装備が必要なのか処方してもらわないといかんのね。かかりつけの整形外科で判定書を書いて貰ってもいいそうだけど、整形外科に関わったのは何十年も前が最後、それも熊本。というわけで医師判定は無理で、やはり判定会になっちゃう。

区の福祉課で聞いたところによると、判定会には東京中から集まるので、診られる人数に調整しなきゃならんと。で、いつ行けばいいのか確認だか申し込みだかをしなきゃいかんと。で、代理店としては判定会に同席したほうがなにかとベターだそうなので、じゃあ日程が決まったら連絡しますんでよろしく、ということで今日の試乗会は終了〜。

ここから先はお役所が絡むので待ち時間が長くなるかもしれんなあ。
年内に新車になると言うことないんだがなあ。さてどうなりますか。

(10.10.26 追記)
判定会の予約(←区役所福祉課経由で予約する)が無事にできました。ひと月ほど先ですが。区役所に電話する前に都・福祉センターのサイトを見てみたら11月中の枠が既に埋まっていたので、いつになるやらと暗くなってたけど良かった良かった。


つづく。

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2010.10.14

車いすを作るぞ(2) 福祉機器展でチェック編

10月1日。
福祉機器展に来たのは3年ぶり。
知らんあいだに車いす使用者の専用駐車エリアが無料になっていた。
最終日だったからか、はたまた前日が雨だったからか、えらい人出。

さあ、ちゃちゃっと見て回ろう。

OXエンジニアリング
Fusion
 シンプルなわりに調整箇所が多いのがウリ。なんだけど、あまり格好よろしくない(←好みの問題)。転がした感じは良かった。だけど、それだけじゃイヤン。ああ、室内用になら選択肢に入るかもしれないなあ。

NEO/NEO Plus
 格好は非常に好み。操作感もいい。クルクル回る。やっぱりいいわあ。フレームの剛性も素晴らしい。私のはクニャクニャだものなあ。ただ、価格が想定予算より少し上なのがやはり悩みどころ。基本価格へ要りそうなオプション品を足していくと、うーむ....な感じ(^^;

 価格を除いて気になるのは、大きめの荷物を運ぶための装備品が見あたらないこと。後述する NOVA III と MS にはフレームに取り付けるキャリア(フォークリフトのフォークみたいなもの)があるんだけどなあ。使用頻度はおそらく年に1〜2回だけど、頻度の問題ではないのだよねえ....。
 
 
 
ミキ(FORCE)/NOVA III
 カタログではイマイチあか抜けてないなーと思っていたけど現物を見てみると、あら意外にいいんでないかい?? さっそく試乗じゃ。

 漕ぎ出しは非常に軽い。それもそのはず、前出し6cm。これではさぞかし前輪を上げ易かろうと恐る恐るやってみると、力を入れる間もなく、ひょいと上がってビビる(^^; 機動性と安定性は相反するもの。前出し3cmぐらいが無難かも....と、ちょい弱気。前出しを大きくしても、転倒防止バーを付ければいい話ではあるんだけど、「転倒防止バーって要るもんですかね??」と訊いてみると、「最初は付けておいて慣れたら外しても...」と、なんだか補助輪付きで自転車に乗る、みたいな話になった。ヘビーユーザーとおぼしき人でも付けているのをけっこう見かけるしなあ。保険と考えるのがいいのかもしれん。でも、保険は使わないと無駄なんだよなー。悩む。この点は、NOVAだけではなくて各社共通のこと。

 さらに言えば、転倒防止バーとティッピングバー(車いすを押す人が、段差を越えるのに前輪を上げるために踏むところ)は、どちらか一方しか付けられないってのも悩みどころ。グリップを押し下げても前輪は上げられるらしいんだけど.....、ティッピングバー、要る??>誰ともなく訊いてみる

 全体的な操作感はオーエックスの NEO(Plus) と大差ない。というか違いがわからん。車いすユーザーでもある説明係の人によると、40〜50万円クラスの高級機では各社の違いが出てくるけど、(私が候補にしているような)エントリークラスの価格帯ではどこのも似たようなもの、とのこと。

 話を聞きながらカタログでオプション品をチェックしていると、「フロントキャリー」なるものを発見。常々、大きめ荷物を楽に運べないものかと悩んでいた私のニーズど真ん中の一品。耐荷重を訊いてみると驚きの70kg。10kgもあればいいなあと思ってたので十分すぎる。ま、なんかあったら荷物持ちもできまっせ、ということで。
 また、同じくオプションの「アシストグリップ」も自分の体を持ち上げるときや、階段の上り下りの際に介助者が掴むのにも重宝しそうで、これも私には必需品に思える。

 なにやらオプションが決め手になりそうな勢いだけど、本体の操作感に大差がない以上、そういうこともあり得るわなあ。ま、もうしばらく冷静に検討してみる。
 
 
 
Nissin/MS(モビルスーツに非ず)
 ブースにあったのは「MS II」の試作車。候補に挙げていた MS の後継機にあたり、来年1月発売(予定)に向けてブラッシュアップ中とのこと。うーむ、1月まで待っていたら「車いすを作ろう熱」が冷めてしまうではないか。

 いちおう座らせてもらって軽く転がしてみても、やっぱり他のと違いがわからん....。このタイプの車いすに対する経験値がほとんどないから、実際には違いがあっても感じ取るセンサーがないのよね。だいたい、どれに乗ってもいまのより「遙かにいい」からなあ。

 MS II はまだ試作車なので紙の資料はなし。元々の候補である MS を含めた MAX PLESUREシリーズのカタログをチェックすると、NOVA III のフロントキャリーと同等のものがオプションとして設定されてた。当然、MS II にも設定されるよね??
 
 
 
松永製作所/LS-iP
 ブースで現物を見るも、なーんかピンと来なかったので試乗せず。説明も聞かず。
 いいのか。
 
 
 
というわけで。
「車いすヘビーユーザーたるもの、やっぱオーエックスでしょ(少し高いけど)。」と思っていたものの、乗り比べてみると、見た目+使い勝手の総合点で NOVA III がリード。正直言って、「格好ええ〜!」というほどではないけれど、フレーム塗装なんかしたら見栄えが良くなるかもね。

 次のステップは、デモ機を借りてクルマへの積み降ろしや自宅周辺での試乗じゃ。今月中にできるといいなあ(販売店からの返事待ち中)。
 
 
つづく。

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2010.10.13

車いすを作るぞ(1) 下調べ編

今を去ること12年前、熊本から上京する際に作った車いす。そろそろ新しいのを作りたいなあ....と思いつつ、手続きを面倒くさがって延び延びにしていたら、いいかげんボロボロになってきた。どうしようかなーと、まだぐずぐず思っていたんだけど、先月、別件で区の福祉課に行ったときに車いすの状態を見たケースワーカーさんから新調を強く(^^; 勧められてしまった...。ちょうど国際福祉機器展が目の前というタイミングでもあったので、ここで情報収集して一気に進めることにしちゃおうか。

いま使っているものは、まだ松葉杖+補装具で歩いていた頃に作ったもので、外出時の補助という位置づけ。なので、細かいことは考えずに、かなりいい加減にオーダーしていた。その後、すっかり車いすメイン生活になって、体の状態も少し変わってくると、座面サイズやフットレストの位置などが微妙に体に合わずに気になってきた。けれど、致命的ってわけでもないしなーと思っているうちに現在に至る、と。

というわけで、今度はいまの体の状態に合ったやつを作ろう。どうせなら、いわゆるアクティブタイプにしよう。モジュール構造で、あちこち調整(ここは「セッティング」と言いたい)ができるから、オーダー時点で取り付け位置や角度なんかをガチガチに決め込まないでいい。むろん、あとで変更ができない箇所もあるけれど。まあ、アクティブタイプ初心者で「どうするのが自分にいちばんいいのか判らん」私には、あとから変更できる箇所が多いに越したことがない。なんたって、楽しそうやん(^^;

さて。
福祉機器展に行く前に、会場で何を見たらいいのか候補を見繕っておかないといかん。

OXエンジニアリング
 世間的に高いと言われているオーエックス。でも、リーズナブルなのもある。最もお手頃なのがFusion。少し価格が上がって、NEO/NEO Plus。上を見ればキリがないので、とりあえずはこの2機種で。見た目でいけば NEO Plusか。Fusionは安いわりに調整できる箇所が多い。けど、少々無骨。

ミキ(FORCE)
 Nova III。上の NEO Plusと比べちゃうと、ややあか抜けない印象。けれど、価格的には Fusionと同じ程度か。あとは乗ってみないとわかんない。

Nissin
 サイトを見てみると、MS っていうのがいいのかなあ。よくわからんけど。

松永製作所
 値段的には、MAX PLESUREシリーズの LS-iP


サイトを見ただけではわからない細かいコトの質問を書き付けて、ビッグサイトへゴーだ。
というのが9月中旬から今月アタマにかけてのお話。

つづく

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